2019-09-28から1日間の記事一覧

マッチングアプリの時代の愛 参考文献

文献 浅草フランス座の時間 作者: 井上ひさし,こまつ座 出版社/メーカー: 文春ネスコ 発売日: 2001/01/31 メディア: 単行本 購入: 1人 クリック: 23回 この商品を含むブログ (6件) を見る 大江健三郎 作家自身を語る (新潮文庫) 作者: 大江健三郎,尾崎真理子…

マッチングアプリの時代の愛⑥

抑圧が炸裂したのは、四月の最終日だった。 四月の始めに一度桜を観に行ったのだが、そこでも進展はなかった。また、会話の端々で彼女がうわの空になっているのが気になった。これは今に始まったことではないが、喋っていると彼女がまったくの無反応になるこ…

マッチングアプリの時代の愛⑤

告白してから二度ほどデートに行った。初詣と遊園地(観覧車のみ)と映画。それらの場所で過ごしたのだが、特に恋愛が進展することもなく、告白以前の関係性を維持したままだった。初詣に行った時は、前日になって彼女が風邪をひいたというので、一週間予定…

マッチングアプリの時代の愛④

高校生の頃は、大学に入れば誰でも恋愛できるものだと思っていた。文学・映画・漫画、どれを見ても、大学というのはそういう場所になっている。期待するな、という方が無理だ。その頃は、ネットの掲示板とかを見る習慣もなかったから、陽の当たる場所にしか…

マッチングアプリの時代の愛③

Oさんとマッチングしてからちょうど一カ月経過した。夏が終わり、過ごしやすい季節となっていたが、その間、誰からもグッドは来ず、俺が送ったグッドも返ってこなかった。最優先にグッドを送ろうと思っていた人たちには、全て振られていた。それでも保有し…

マッチングアプリの時代の愛②

童貞は、大阪に旅行した際、梅田の女装・ニューハーフ風俗で捨てた。詳しいことは「童貞と男の娘」に書いたので繰り返さないが、今後のためにセックスに慣れておきたかったのと、初めての相手はやっぱり恋人がいい、という矛盾をアウフヘーベンさせた結果、…

マッチングアプリの時代の愛①

恋と天才──これこそ僕が心に直感し、かすかに垣間見た蒼穹だった。僕はこの輝く空の光に打たれ、狂おしいばかりの魅力をたたえた幻影をとらえたのだったが、その空も今は永久に閉ざされてしまった。僕のことなど構ってくれるひとはいないのだ。そうでなかっ…