洋画
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高校時代、俺のアイドルはリバティーンズのピート・ドハーティだった。彼の作る音楽はもとより、文学に対する造詣の深さとデカダンスな生き様、そしてスタイリッシュなファッションセンスを兼ね備えているところが、文学とロックは好きだったものの、はちゃ…
キューブリックの『ナポレオン』、オーソン・ウェルズの『ドン・キホーテ』、 アレハンドロ・ホドロフスキーの『デューン/砂の惑星』、デヴィッド・リンチの『ロニー・ロケット』……。完成することなく幻に終わった映画は、「幻」であるがゆえに、魅力的であ…
ジョン・ライドンが、アメリカ・ツアー中だったセックス・ピストルズのサンフランシスコ公演で、「騙された気分はどうだい?」と観客に吐き捨て、ツアー日程が残っていたにもかかわらず、そのまま脱退したのは有名な話だ。ピストルズのライブでは、興奮した…
インターネットで蓮實重彦とかやや古めの映画・小説について調べている時に、よく出てくるページがあって、それが高崎俊夫の「映画アットランダム」だった。多分、最初に目にしたのは、「スーザン・ソンタグと蓮實重彦の微妙な対話」で、恐らく「映画アット…
ジェーン・フォンダが主演し、ヴァネッサ・レッドグレイヴがアカデミー助演女優賞を受賞した映画『ジュリア』は、原作がリリアン・ヘルマンの「自伝」であるため、「実話」ということになっているが、これは正しくない。正確に言うならば、他人の身に起こっ…
少し前に、テレビで放映予定の未DVD化作品をツイートするツイッター・アカウントを作った。未DVD/廃盤/レア映画を観る方法 (@rare_movie) | Twitter 衛星放送に加入していれば、結構未DVD化作品を観ることができる。特に、東映チャンネルとかザ・シ…
本書は、『キネマ旬報』創刊90周年ということで企画され、2009年に刊行された。巻末にはキネマ旬報と関わりの深い会社の社長の名刺がずらずらと並べられている。 オールタイムベスト企画では、キネ旬以外だと映画秘宝のものが有名だが、人選はやはりキ…
DVD化して欲しい映画リスト。文藝物中心。 アービング・ラッパー監督 『ガラスの動物園』 『黒い牡牛』 『女性よ永遠に』 『初恋』 アニエスカ・ホランド監督 『僕を愛したふたつの国/ヨーロッパ ヨーロッパ』 アベル・ガンス監督 『鉄路の白薔薇』 アモ…
1 序論──僕をメンバーにするようなクラブには入りたくない 一九七七年に公開された映画『アニー・ホール』の中で、ウディ・アレン演じるコメディアン、アルヴィ・シンガーが発した「僕をメンバーにするようなクラブには入りたくない」という自虐的ジョーク…
アル・パチーノは俳優として優れているというだけでなく、アメリカ文化においても重要な存在だ。『狼たちの午後』、『セルピコ』、『ゴッドファーザー』三部作、そして『スカーフェイス』といった作品を抜きにして、アメリカのポップ・カルチャーを語ること…
たまたま昔の書籍に入っていた広告を見て気になり、読んでみたのだが、これが抜群に面白かった。「今世紀初頭(20世紀)から現在まで、映画、文学、スポーツ、音楽などの分野で独自の世界を築いた個性的な男たち23人のミニ・バイオグラフィー」というの…
ツイッターでフォローしている人がこの本に言及していたので、図書館で借りてみた。 中身は、評論家がタランティーノやウォン・カーウァイの映画遍歴について書いたものや、エリック・ロメール、キアロスタミといった有名監督が映画について書いたエッセイの…
2016年に行われた第88回アカデミー賞受賞式では、これまで4度候補に挙がりながらオスカー像を逃し続けてきたレオナルド・ディカプリオが、5度目のノミネートで遂にアカデミー主演男優賞(『レヴェナント: 蘇えりし者』)を受賞したことが話題になっ…
マーロン・ブランドは1924年、ネブラスカ州オハマで生まれた。家族構成としては、両親の他に二人の姉がいる。母親のドディはブランドが小さい頃──時には家族そっちのけで──演劇に熱中していた。彼女は芸術家肌だったが、セールスマンの夫はそれに対し無…
リリー・フランキーの『美女と野球』に入っているエッセイ「フランスのおっさん」(初出は「クロスビート」93年11月号)には、リリーがオタクのドキュメンタリーを撮りに日本へやってきたジャン=ジャック・ベネックスをアテンドした時のことが書かれて…
ジェームズ・ディーンの伝記を読んでみようと探していたら、翻訳されているものでは、ポール・アレクサンダーの物とドナルド・スポトーの物が見つかった。原著の発表は前者の方が早い。そして、アマゾンではアクレサンダーの物がかなり酷評されている。気に…
女優の奥菜恵が3月13日に結婚を発表した。奥菜はこれで3度目の結婚になる。 結婚と離婚を繰り返した女優といえば、エリザベス・テイラーだ。彼女は7人の男性と8回結婚し、8回離婚した強者である。そんな彼女の人生を知るにはC・デビッド・ハイマンが…
若松孝二の『11・25自決の日 三島由紀夫と若者たち』を見ていたら、『英霊の聲』が河出書房から出版されて売れているという話が出た後に、ノーベル文学賞の話題に移るというシーンがあった。そこで三島役の井浦新が「なにしろ谷崎さんも候補になっていますか…
今はもう閉館してしまったシアターN渋谷というミニシアターに、高校生の頃、音楽のドキュメンタリー映画をよく観に行っていた。当時は、パンク・ロックに強い関心を持っていて、80年代アメリカのパンク・シーンを描いた『アメリカン・ハードコア』を観に行…
top.tsite.jp T-siteの映画のコーナーに『愛と青春の旅立ち』のレヴューが掲載されました。 愛と青春の旅だち [DVD] 出版社/メーカー: パラマウント ホーム エンタテインメント ジャパン 発売日: 2014/09/10 メディア: DVD この商品を含むブログ (2件) を見る
15日に、アテネフランセ文化センターで観たが、あまり関心しなかった。ファスビンダーの問題というよりかは、フォンターネの原作がどうしよもうなく古びているのだと思う(トーマス・マンは絶賛し、ベケットは『クラップの最後のテープ』で言及しているが…
村上龍のエッセイ『すべての男は消耗品である』を読んでいたら、市原悦子主演の単発ドラマ『現代人妻戯画』を扱ったところがあって、そのドラマというのが、市原演じる主婦が金田賢一演じる売春夫を買うというもので、彼女は金田の関心を繋ぎとめ続けるため…
エルンスト・ルビッチの『青髭八人目の妻』を観たら、『じゃじゃ馬ならし』に引っ掛けたギャグ(利かん気な妻であるクローベット・コルデールに悩まされていたゲイリー・クーパーが、『じゃじゃ馬ならし』を読み、そこからヒントを得て、彼女を手懐けるべく…
ゴダールの『カラビニエ』の元ネタ。 www.youtube.com そして、これがそのネタを使ったシーン。(4分7秒あたり) www.youtube.com 興奮した観客がスクリーンを引きずり下ろすという些細なものだが。 カラビニエ [DVD] 出版社/メーカー: 紀伊國屋書店 発売…
これまで観てきた映画の中でワースト1を選ぶとしたら、ジャック・タチの『プレイタイム』になる。「虚無」という言葉がこれほど相応しい映画も中々ない。「退屈」、その一言に限る。これを通しで全部見るなら、蟻の行列を眺めている方がはるかにましだ。 確…
さて、物語の中に、精神分析医や心理学者が出てきた場合、我々はそこに「始まり」を見出す。つまり、物語の根幹となる諸要素が、トラウマという形で、断片的/非論理的に彼の患者の口から洩れることを知っているからであり、以降、その物語が患者の語った言…
ブレヒトの同名戯曲を映画化した、シュレンドルフ監督の『バール』を見終えて、まず胸に浮かんだのは、「陰惨」という言葉だった。主演は、当時頭角を現しつつあった、R・W・ファスビンダー。彼は、バールという名の、新進気鋭の詩人を演じている。冒頭、…
ツタヤの店舗などで売られている、映画のガイドブック。今はどうだか知らないけれど、昔はたしか200円分のTポイントと交換だったような気がする。 中身は、2011年の売れ筋を紹介した「洋画トップ50」、「邦画トップ20」や著名人が簡単な解説をつ…
南部、没落、抑圧、退廃、不能、暴力、アルコール…… これらは、テネシー・ウィリアムズの戯曲の特徴である。ウィリアムズは、そこに、詩情に満ちたセリフを被せ、象徴的な小道具を配置することで、彼独自の世界を構築する。だが、逆に言えば、ウィリアムズの…