洋画

R・W・ファスビンダー 『ホワイティ』

西部劇は、その社会から逸脱した人間、すなわちアウトサイダーの侵入によって、物語が始まる。そして厳重に秘匿されていた共同体の闇が、その口数少ない人物の「行動」によって徐々に暴かれる。だが、この基本条項を、冷たく裏切ることで生まれた、悪意に満…

安原顯編 『私の好きな映画 ベスト5』

本書は、『リテレール』の編集長、安原顯が企画・編集したもので、「リテレール・ブックス」シリーズの中の一つだ。出版されたのは1994年。様々な文化人が、自身の好きな映画を5本ほど挙げ、そこに簡単な解説を加えている。あとがきによれば、約300…

関景介編 『恋愛映画1000』

2000年にアスペクトから出版された、「恋愛映画」に的を絞ったガイド本。50人の「カルチャー系雑誌で活躍する50人の著名ライター」が、1人20本ずつ「恋愛映画」を紹介しているので、「1000」というタイトルになっている。日本美女選別家協会…

映画秘宝のオールタイムベスト特集号

映画秘宝はこれまでオールタイムベストの企画を二度ほど行っている。1998年と2008年だ。2008年版に収録されている町山・柳下対談の中で、町山は「(映画が:筆者注)その人にとってどれだけ影響したかが読むほうにとっては面白い」と言い、「人…

バーバラ・コップル 『ワイルド・マン・ブルース』

ウディ・アレンが率いるニューオーリンズ・ジャズ・バンドの、ヨーロッパ・ツアーを追った、1997年製作のドキュメンタリー。映画監督としてではなく、ジャズ・ミュージシャンとしてのアレンを追跡するというのが、いささか変則とした作りになっているが、な…

ウリ・エデル 『ブルックリン最終出口』

ドイツ人映画監督ウリ・エデルが、ヒューバート・セルビーJrの『ブルックリン最終出口』を原作に、1990年に発表。監督としては、『クリスチーネF』に続き2作目である。 舞台は1952年のニューヨーク、ブルックリン。冒頭から、チンピラたちが、酔…