邦画

『憂国』という戦略

1 三島由紀夫が監督を務めた映画『憂国』は、一九六六年に日本ではATG系列で公開された(ちなみにブニュエルの『小間使の日記』との併映だった)。映画は自身が書いた小説「憂国」を原作にしており、物語の背景には二・二六事件が使用されている。簡単に…

映画の中の「文学」にまつわるミス

若松孝二の『11・25自決の日 三島由紀夫と若者たち』を見ていたら、『英霊の聲』が河出書房から出版されて売れているという話が出た後に、ノーベル文学賞の話題に移るというシーンがあった。そこで三島役の井浦新が「なにしろ谷崎さんも候補になっていますか…

シネマ・ハンドブック 2012

ツタヤの店舗などで売られている、映画のガイドブック。今はどうだか知らないけれど、昔はたしか200円分のTポイントと交換だったような気がする。 中身は、2011年の売れ筋を紹介した「洋画トップ50」、「邦画トップ20」や著名人が簡単な解説をつ…

周防正行 『舞妓はレディ』

周防正行監督作『舞妓はレディ』の公式サイトを見ると、「監督コメント」の項で、周防自身が、本作品の骨格について、「ファンタジー」、「エンタテイメント」という言葉を使い、簡単に説明している。ここでいう「エンタテイメント」とは、「建て直し」のこ…

安原顯編 『私の好きな映画 ベスト5』

本書は、『リテレール』の編集長、安原顯が企画・編集したもので、「リテレール・ブックス」シリーズの中の一つだ。出版されたのは1994年。様々な文化人が、自身の好きな映画を5本ほど挙げ、そこに簡単な解説を加えている。あとがきによれば、約300…

リリー・フランキー 『日本のみなさんさようなら』

本の中には、最初から最後まで一気に読む物もあれば、つまみ食いするようにぽつぽつと気になった部分を読んでいく物もある。俺にとって『日本のみなさんさようなら』は後者に属する本だ。 『日本のみなさんさようなら』はリリー・フランキーが約5年間にわた…

関景介編 『恋愛映画1000』

2000年にアスペクトから出版された、「恋愛映画」に的を絞ったガイド本。50人の「カルチャー系雑誌で活躍する50人の著名ライター」が、1人20本ずつ「恋愛映画」を紹介しているので、「1000」というタイトルになっている。日本美女選別家協会…

映画秘宝のオールタイムベスト特集号

映画秘宝はこれまでオールタイムベストの企画を二度ほど行っている。1998年と2008年だ。2008年版に収録されている町山・柳下対談の中で、町山は「(映画が:筆者注)その人にとってどれだけ影響したかが読むほうにとっては面白い」と言い、「人…