文壇ゴシップニュース 第2号 ヤクザに自分の糞を拾わされた武田泰淳、ツルゲーネフとドストエフスキーの対決

今週は、「ヤクザに自分の糞を拾わされた武田泰淳、ツルゲーネフとドストエフスキーの対決」です。 note.com

文壇ゴシップニュース 第1号 ヒロポンを使っていた編集者、息子の恋人を寝取ったヴィクトール・ユゴー

今日からnoteを始めました。このブログは私小説、音楽、野球など異なったジャンルの投稿が乱立していて、初めて来る人にはわかりにくいと思ったので、テーマを「文学」と「ゴシップ」に絞ったフォームを新たに作りました。 タイトルは「文壇ゴシップニュース…

ロックスターとロマン派詩人が重なる時

高校時代、俺のアイドルはリバティーンズのピート・ドハーティだった。彼の作る音楽はもとより、文学に対する造詣の深さとデカダンスな生き様、そしてスタイリッシュなファッションセンスを兼ね備えているところが、文学とロックは好きだったものの、はちゃ…

なぜ村松剛は三島由紀夫の同性愛を否定したのか?

「三島由紀夫=ゲイ」という等式を疑う人は、今ではほとんどいないと思われる。俺も三島由紀夫の文章や、彼について書かれた物を読む時は、そのこと意識している。というか、半ば常識として捉えているといったほうが正しいか。 だから、週刊誌『平凡パンチ』…

裸になった作家たち

作家で自分の裸を露出した人と言ったら、まず三島由紀夫を連想するが、そのほかにも裸の写真を仲間と撮ったり公開したりした作家は意外といる。文筆家がヌードになる必然性はまったくないのだが、エゴの強さなのか、たまには見せたくなるもののようだ。誰が…

「文壇史」を書けなかった坪内祐三

坪内祐三が死んだ時、毎日新聞に追悼文が出て、見出しに「無頼派」という言葉が使われていた。 自分はそれを見て、ひどく違和感を覚えた。なぜなら、俺の中での坪内祐三とは、早稲田大学図書館で明治時代の雑誌を渉猟する人であり、『変死するアメリカ作家た…

諸君! 2007年10月号 私の血となり、肉となったこの三冊

『諸君!』2007年10月号では、「読書の季節の到来にちなみ」、「人格・精神形成に大きな影響を与えた本」、「人生の見方、考え方に影響を与えた本」をテーマにし、著名人108名にアンケートを行っている。以下、気になったものを挙げてみる(出版社・訳者など…

堀田善衛窃盗事件の真相?

以前、小谷野敦のブログで堀田善衛が窃盗で捕まったことを伝える新聞記事の引用を読んだ。 jun-jun1965.hatenablog.com 以来、そのことが記憶の片隅にあったのだが、先日、読売新聞で文化部の記者だった竹内良夫の『文壇のセンセイたち』という本を読んでい…

作家の写真を読む②

以前、ブログで「作家の写真を読む」という記事を書いたことがある。作家を被写体にした写真集の紹介だ。今回はそれの続きを書こうと思う。俺がどういう写真を好んでいるかということについては、前回の記事を参考にしてほしい。 相田昭 『作家の周辺』 相田…

石原慎太郎 坂本忠雄 『昔は面白かったな 回想の文壇交友録』

石原慎太郎が文壇について書いたもので、俺がまず思い出すのは、『わが人生の時の人々』に収められた「水上勉を泣かした小林秀雄」で、これは酒席で酒乱の小林秀雄に絡まれていた水上勉を、小林を論破するという形で助け出したら、逆に小林から気に入られた…

恐るべきパフォーマンス・アートの世界

人体を使った、奇天烈、無謀、グロテスク、意味不明なパフォーマンス・アートをまとめてみた。一部閲覧注意。 Light/ Dark- Marina Abramovic & Ulay- performance art Marina Abramović & the arrow that could have easily taken her life (Rest Energy, 1…

「教祖」から抜け出すことの難しさ

教祖化する文筆家というのがいる。横光利一とか、小林秀雄とか、吉本隆明、柄谷行人とかだ。彼らはみな晦渋な文章を書いたという共通点があるが、それだけではない。難解であるというだけでは、「教祖」になることはできない。教祖になるために必要なのは、…

ジェニファー・ライト 『史上最悪の破局を迎えた13の恋の物語』

国会図書館サーチで、日本語で書かれたノーマン・メイラーについての記事を見ていたら、この本がひっかかった。去年の9月に出版されているのだが、新刊情報に疎いせいで今まで見逃していたのだ。クリックし、掲載されている目次を見ると、自分の関心領域と被…

オールタイム・ベストが好きという悪癖

年末になると、様々なメディアで、「今年の収穫」といったような年間ベストを決める企画が行われる。自分はそういう場で意見を求められる人がめちゃくちゃ羨ましいと思っている。なぜならそれは世間から「目利き」としてのお墨付きをもらっているようなもの…

芥川賞をとれなくて発狂した人

ってブログに小説をあげ、誰にも読まれていないにも関わらず、わざわざ自費出版までした私のことではないです。私はまだ発狂していません。自意識肥大、発狂寸前、入院秒読み、人生9回裏2アウト、といったところです。世界に忘れられたアラサーとして今日…

第二芸術としてのアフォリズム

俺は文芸の様式の中でも、アフォリズムや逆説といったものが嫌いだ。具体例を挙げると、アンブローズ・ビアス『悪魔の辞典』、芥川龍之介『侏儒の言葉』、三島由紀夫『不道徳教育講座』、シオランなど。昔、桑原武夫が俳句について「小説や近代劇と同じやう…

群像  1960年8月号 戦後の小説ベスト5

『群像』1960年8月号では、戦後から15年経ったことを節目とし、文学者たちに戦後の小説ベスト5を選んでもらうという企画を行った。作家だけでなく、評論家や外国文学研究者もいる。また、佐藤春夫や梅崎春生、小島信夫のように、様々な理由をつけてベスト5選…

マッチングアプリの時代の愛 参考文献

文献 浅草フランス座の時間 作者: 井上ひさし,こまつ座 出版社/メーカー: 文春ネスコ 発売日: 2001/01/31 メディア: 単行本 購入: 1人 クリック: 23回 この商品を含むブログ (6件) を見る 大江健三郎 作家自身を語る (新潮文庫) 作者: 大江健三郎,尾崎真理子…

マッチングアプリの時代の愛⑥

抑圧が炸裂したのは、四月の最終日だった。 四月の始めに一度桜を観に行ったのだが、そこでも進展はなかった。また、会話の端々で彼女がうわの空になっているのが気になった。これは今に始まったことではないが、喋っていると彼女がまったくの無反応になるこ…

マッチングアプリの時代の愛⑤

告白してから二度ほどデートに行った。初詣と遊園地(観覧車のみ)と映画。それらの場所で過ごしたのだが、特に恋愛が進展することもなく、告白以前の関係性を維持したままだった。初詣に行った時は、前日になって彼女が風邪をひいたというので、一週間予定…

マッチングアプリの時代の愛④

高校生の頃は、大学に入れば誰でも恋愛できるものだと思っていた。文学・映画・漫画、どれを見ても、大学というのはそういう場所になっている。期待するな、という方が無理だ。その頃は、ネットの掲示板とかを見る習慣もなかったから、陽の当たる場所にしか…

マッチングアプリの時代の愛③

Oさんとマッチングしてからちょうど一カ月経過した。夏が終わり、過ごしやすい季節となっていたが、その間、誰からもグッドは来ず、俺が送ったグッドも返ってこなかった。最優先にグッドを送ろうと思っていた人たちには、全て振られていた。それでも保有し…

マッチングアプリの時代の愛②

童貞は、大阪に旅行した際、梅田の女装・ニューハーフ風俗で捨てた。詳しいことは「童貞と男の娘」に書いたので繰り返さないが、今後のためにセックスに慣れておきたかったのと、初めての相手はやっぱり恋人がいい、という矛盾をアウフヘーベンさせた結果、…

マッチングアプリの時代の愛①

恋と天才──これこそ僕が心に直感し、かすかに垣間見た蒼穹だった。僕はこの輝く空の光に打たれ、狂おしいばかりの魅力をたたえた幻影をとらえたのだったが、その空も今は永久に閉ざされてしまった。僕のことなど構ってくれるひとはいないのだ。そうでなかっ…

翻訳の世界 1992年10月号 若島正「改訳したい10大翻訳」

昔、フィリップ・ロスやナボコフの翻訳で知られる大津栄一郎のウィキペディアのページを見てみたら、「ナボコフの『賜物』の翻訳については若島正から『翻訳の世界』誌の「改訳したい小説ベスト10」で多数の誤訳を指摘されたため、「若島正氏に反論する」を…

小説家で打線を組んでみた

「〇〇で打線を組んでみた」という、5ch(特になんj)でよく使われているネタがある。野球を知らない人には、細かく説明しても無駄だろうから、本質的なことだけをかいつまんで言うと、野球のルールとセオリーを異分野に適用し、その中でどれだけ突っ込まれ…

ラブホテルのスーパーヒロイン⑧

それから三日後の月曜日。朝、会社に行こうとマンションの外に出たら、喉がいがいがし始めた。軽傷だろうと高を括っていたら、仕事が終わる頃には身体がだるく感じるほどに悪化していた。それでも翌日は出社したが、水曜日になるとベッドから起き上がるのも…

ラブホテルのスーパーヒロイン⑦

当初の過度に集中していた状態からややだれてきた時、扉がゆっくりと開いた。そこには、バットウーマンの衣装を着た彼女がいた。変身前の彼女とはまったく別人だった。天使であり悪魔である女。俺が求めていたのはこれだ! 俺は咄嗟に光線銃を撃った。ちゅる…

ラブホテルのスーパーヒロイン⑥

結局、風呂についてはよくわからないまま当日を迎えた。家族には、「映画を見てくる」と告げ、家を出た。今日は、朝から性的熱狂で脳が沸騰していた。なぜなら、この日のために月曜日からオナ禁していたからだ(日曜日には最後の晩餐とばかりに、いつもより…

ラブホテルのスーパーヒロイン⑤

シナリオを書き上げた後、ホームページでヒカリの予定を確認したら、二十五日出勤となっていたので、ひとまず安心した。以前予約した風俗店は、サイトに予約用のフォームがあったのだが、「ヒロインの檻」にはそれがなく、取り敢えず「お問い合わせ」のとこ…