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マドレーヌ・シャプサル 『作家の仕事場』

 本書は作家としても知られるマドレーヌ・シャプサルが、自身もスタッフとして関わっている文芸誌「エクスプレス」で、1960年から1963年頃に行ったインタビューをまとめたものだ。インタビュイーは原著だと15人だが、邦訳を出すにあたって2人ほど削ったと訳者あとがきに書かれている。

 一つのインタビューで費やされているページ数はだいたい20ページ程度で、内容も雑談的なものとなっており軽く読める。雑誌のインタビューであるためか、基本的にインタビュイーの最近の仕事や生活に触れ、そこから中身を膨らませていくような形になっている。例えばボルヘスには「今、何を書いてらっしゃいますか」と単刀直入に聞いてから、好きなフランスの詩人や現代作家を読むのかといった質問をし、話を広げている。

 短いインタビューながら、それでも性格は十分反映されているもので、カポーティなんかは質問される前から積極的に執筆中の『冷血』について説明している(このインタビューは62年に行われた)。また、ヌーヴォー・ロマン系の作家について「今や袋小路に入っている」と語っているのは興味深い。彼が脚本を書いた『悪魔をやっつけろ』については、「まったくもって馬鹿げた、まったくもって気狂いじみた映画でしたよ……」とのこと。

 質問の多くは気負っていない単純素朴なものが多く、寧ろそのことが作家から言葉を引き出す結果にもなっている。一人の作家を深く掘り下げるという感じではないが、雰囲気を掴むには十分だろう。

 

インタビューされた作家(日本語版)

ジョルジュ・バタイユアンドレ・ブルトンマグリット・デュラス、クロード・シモン、レリス、クロード・レヴィ=ストロースヘンリー・ミラーホルヘ・ルイス・ボルヘスジャン・ポーランジャック・プレヴェール、アンリ・ド・モンテルラン、トルーマン・カポーティウィリアム・スタイロン(掲載順)

 

作家の仕事場 (晶文選書)

作家の仕事場 (晶文選書)