ジャン=ジャック・ベネックス『オタク』の裏側

 リリー・フランキーの『美女と野球』に入っているエッセイ「フランスのおっさん」(初出は「クロスビート」93年11月号)には、リリーがオタクのドキュメンタリーを撮りに日本へやってきたジャン=ジャック・ベネックスをアテンドした時のことが書かれている。

 リリーは、ベネックスをサンシャインの噴水広場で行われた「K嬢」のコンサートに連れて行き、インタビューさせるのだが、その時のベネックスはいつもの高慢チキな態度とは打って変わり、「K嬢」に鼻の下を伸ばしっぱなしだったようだ。

 この「K嬢」が誰なのか気になったのだが、このドキュメンタリーは日本では一度もソフト化されていないらしい。ただ、フランス本国ではVHSとDVDが出ている。

 取りあえず、ドキュメンタリーの原題であるOtaku : fils de l'empire virtuel Google検索するとyoutubeに全編アップされていた。そこで確認したところ「K嬢」とは加藤紀子のことであった。

 リリーはこのドキュメンタリーを輸入ビデオで見たらしい。エッセイの中では、「案の定、『オタク』という言葉も文化も、まるで理解できないズッコケ作品であった」と書いている。

 ちなみに、ドキュメンタリーには東京ガガガ時代の園子温スチャダラパー中森明夫などが出演している。気になる人はDVDを買うか、下の動画をチェックしてみてくれ。

www.youtube.com

 

  

美女と野球 (河出文庫)

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