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『青髭八人目の妻』と『じゃじゃ馬ならし』

洋画

 エルンスト・ルビッチの『青髭八人目の妻』を観たら、『じゃじゃ馬ならし』に引っ掛けたギャグ(利かん気な妻であるクローベット・コルデールに悩まされていたゲイリー・クーパーが、『じゃじゃ馬ならし』を読み、そこからヒントを得て、彼女を手懐けるべく、突然ビンタをくらわすが、すぐに彼女にビンタし返され、あえなく退散するというもの)が出てきたのだが、これはつまり、観客らが『じゃじゃ馬ならし』の筋を知っているという前提が、監督や脚本家といった製作者たちの間で共有されていたということで、スクリューボール・コメディの客層がシェイクスピア演劇を観に行く人間のそれを被っていたことが推測される。そうした演劇と映画を両方とも楽しんでいた客層とは、恐らくミドル・ミドルクラスあたりの人間だと思うのだが、このことは、アメリカにおけるシェイクスピア演劇受容について考えるヒントにはなりそうだ。 

 

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