2020-01-01から1年間の記事一覧

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作家の写真を読む④

作家の写真を読む③から半年近く経った。その後も、意識的に作家たちの面白い写真はないかと探し回り、それなりに溜まってきたので、ここらで一挙に放出しよう。これまでは書籍しか取り上げてこなかったが、今回は雑誌からも拾ってきた。 神蔵美子『たまゆら…

作家の写真を読む(三島由紀夫篇)

三島由紀夫ほど、多くの写真を残した作家は、世界的に見てもそういない。流行作家として写真を撮られる機会が多かっただけでなく、自らも写真を表現の一つとしてとらえ積極的に撮らせたからだ。石原慎太郎に「雑誌のグラビア写真は必ず自分で選べ」とアドバ…

文壇ゴシップニュース 第8号 ネタ切れなんて怖くない!

文壇ゴシップニュースを久しぶりに更新しました。 note.com

ほしい物リストの女

大沼が映画のシナリオ作家から劇作家志望へと転向したのは、浅黄への片思いが原因だった。 浅黄というのは、小劇場を中心に活動している女優だ。 大沼が彼女のことを知ったのはツイッター経由である。映画の趣味繋がりで相互フォローだった岩倉虚人という人…

バトル・オブ・マッチングアプリ

マッチングアプリ、巷で流行っているらしいですね。わたしは二年ほど前からペアーズに登録し、今年で三年目という中堅プレイヤーですが、これまで出会った人数わずか二人。ペアーズにかけたお金は三万六千円也。つまり、一人あたり一万八千円。もちろん、ノ…

不遇な芸術家伝説を目指して

一年ほど前、『マッチングアプリの時代の愛』という小説を書いて、ブログで発表したことがある。恐らく、これを自発的に読んでくれた人は、5人もいないと思う。マッチングアプリというのが社会的にある程度ホットな話題で、ツイッターなんかではそれを扱った…

マッチングアプリで絶対にもてるプロフィールはこれだ!

こんにちは。マッチングアプリのことならなんでも知っている清水国明です。この前、スタンフォード大学で、マッチングアプリのPh.D.を取得しました。日本に帰国してからは、東大でスタンフォード流マッチングアプリの使い方について講義しています。 今日は…

文壇ゴシップニュース 第7号 アルベルト・モラヴィアの逆ポルノ小説『わたしとあいつ』

今週の文壇ゴシップニュースを更新しました。 note.com

図書館に本を寄贈してみた

6月25日にボーナスが入った。その少し前から使いみちを考えていたのだが、コロナの影響もあり、生まれて初めて、「社会に役立つことがしたいなぁ」と思い、いくらか寄付することに決めた。そして、ボーナスの額をきちんと確認してから、寄付に使う金額をきっ…

秋草俊一郎 『「世界文学」はつくられる 1827-2020』

ある小説が優れていることについて、「これは世界文学だ!」と表現する人がいて、自分はそれを見るたびに苛立っていた。まず、「世界文学」という言葉は昨今あまりにも乱用されており、それ自体既にクリシェと化しているのにも関わらず、そこに気づかない非…

文壇ゴシップニュース 第6号 シンクレア・ルイスの顔面を侮辱したヘミングウェイ──私小説としての『河を渡って木立の中へ』──

今週の文壇ゴシップニュースを更新しました。 note.com

作家の写真を読む③

これまで、「作家の写真を読む」、「作家の写真を読む②」と二回、主に文学者を被写体に選んだ写真集を紹介してきたのだが、ついにこの試みも三回目となる(だからといって、特別なにかあるわけじゃないけど)。ただ、前二回と違い、今回は作家の日常を写した…

文壇ゴシップニュース 第5号 ニーチェを読む渡邉恒雄あるいは精液でいっぱいの一升瓶、作家にとってパーティーとはなにか

今週は、「ニーチェを読む渡邉恒雄あるいは精液でいっぱいの一升瓶、作家にとってパーティーとはなにか」です。 note.com

本当は怖い文学賞

文学賞というのは表向きその本の実力によって選ばれていることになっているが、無論、人間がやっていることなので、1から10までフェアということは有り得ない。『万延元年のフットボール』が谷崎潤一郎賞をとるという納得のいく結果もあれば、功労賞としか思…

文壇ゴシップニュース 第4号 夏目漱石が出した緑のウンコ/宇野浩二とグリセリン浣腸、ノーマン・ポドーレツ『文学対アメリカ』から考える、文学における成功と野心

今週の文壇ゴシップニュースを更新しました。ノーマン・ポドーレツについて書きました。ポドーレツのEx Friends: Falling Out with Allen Ginsberg, Lionel and Diana Trilling, Lillian Hellman, Hannah Arendt, and Norman Maileは、いつか翻訳されてほし…

文壇ゴシップニュース 第3号 谷崎潤一郎と泉鏡花の仁義なき鍋戦争、ホテルと糞とテネシー・ウィリアムズ

今週は、「谷崎潤一郎と泉鏡花の仁義なき鍋戦争、ホテルと糞とテネシー・ウィリアムズ」です。 note.com

文壇ゴシップニュース 第2号 ヤクザに自分の糞を拾わされた武田泰淳、ツルゲーネフとドストエフスキーの対決

今週は、「ヤクザに自分の糞を拾わされた武田泰淳、ツルゲーネフとドストエフスキーの対決」です。 note.com

文壇ゴシップニュース 第1号 ヒロポンを使っていた編集者、息子の恋人を寝取ったヴィクトール・ユゴー

今日からnoteを始めました。このブログは私小説、音楽、野球など異なったジャンルの投稿が乱立していて、初めて来る人にはわかりにくいと思ったので、テーマを「文学」と「ゴシップ」に絞ったフォームを新たに作りました。 タイトルは「文壇ゴシップニュース…

ロックスターとロマン派詩人が重なる時

高校時代、俺のアイドルはリバティーンズのピート・ドハーティだった。彼の作る音楽はもとより、文学に対する造詣の深さとデカダンスな生き様、そしてスタイリッシュなファッションセンスを兼ね備えているところが、文学とロックは好きだったものの、はちゃ…

なぜ村松剛は三島由紀夫の同性愛を否定したのか?

「三島由紀夫=ゲイ」という等式を疑う人は、今ではほとんどいないと思われる。俺も三島由紀夫の文章や、彼について書かれた物を読む時は、そのこと意識している。というか、半ば常識として捉えているといったほうが正しいか。 だから、週刊誌『平凡パンチ』…

裸になった作家たち

作家で自分の裸を露出した人と言ったら、まず三島由紀夫を連想するが、そのほかにも裸の写真を仲間と撮ったり公開したりした作家は意外といる。文筆家がヌードになる必然性はまったくないのだが、エゴの強さなのか、たまには見せたくなるもののようだ。誰が…

「文壇史」を書けなかった坪内祐三

坪内祐三が死んだ時、毎日新聞に追悼文が出て、見出しに「無頼派」という言葉が使われていた。 自分はそれを見て、ひどく違和感を覚えた。なぜなら、俺の中での坪内祐三とは、早稲田大学図書館で明治時代の雑誌を渉猟する人であり、『変死するアメリカ作家た…

諸君! 2007年10月号 私の血となり、肉となったこの三冊

『諸君!』2007年10月号では、「読書の季節の到来にちなみ」、「人格・精神形成に大きな影響を与えた本」、「人生の見方、考え方に影響を与えた本」をテーマにし、著名人108名にアンケートを行っている。以下、気になったものを挙げてみる(出版社・訳者など…

堀田善衛窃盗事件の真相?

以前、小谷野敦のブログで堀田善衛が窃盗で捕まったことを伝える新聞記事の引用を読んだ。 jun-jun1965.hatenablog.com 以来、そのことが記憶の片隅にあったのだが、先日、読売新聞で文化部の記者だった竹内良夫の『文壇のセンセイたち』という本を読んでい…

作家の写真を読む②

以前、ブログで「作家の写真を読む」という記事を書いたことがある。作家を被写体にした写真集の紹介だ。今回はそれの続きを書こうと思う。俺がどういう写真を好んでいるかということについては、前回の記事を参考にしてほしい。 相田昭 『作家の周辺』 相田…

石原慎太郎 坂本忠雄 『昔は面白かったな 回想の文壇交友録』

石原慎太郎が文壇について書いたもので、俺がまず思い出すのは、『わが人生の時の人々』に収められた「水上勉を泣かした小林秀雄」で、これは酒席で酒乱の小林秀雄に絡まれていた水上勉を、小林を論破するという形で助け出したら、逆に小林から気に入られた…

恐るべきパフォーマンス・アートの世界

人体を使った、奇天烈、無謀、グロテスク、意味不明なパフォーマンス・アートをまとめてみた。一部閲覧注意。 Light/ Dark- Marina Abramovic & Ulay- performance art Marina Abramović & the arrow that could have easily taken her life (Rest Energy, 1…