バトル・オブ・マッチングアプリ

 マッチングアプリ、巷で流行っているらしいですね。わたしは二年ほど前からペアーズに登録し、今年で三年目という中堅プレイヤーですが、これまで出会った人数わずか二人。ペアーズにかけたお金は三万六千円也。つまり、一人あたり一万八千円。もちろん、ノーセックス。なんという非効率! なんという不条理か! Youtubeでペアーズの広告が流れてきた時は、「お、お、俺の三万六千円がこんなところに」なんて思ったりしてね。これがいわゆる資本主義というやつなんでしょうな。

 なにしろ手取りが15万しかないんで、ペアーズの利用料金払うだけでも、またたく間に財政が逼迫するのだから悲しくてやりきれない。あの、三万六千円で何が買えたのか。色が剥げてダルメシアンみたいになっている革靴を買い換えることだってできたはずだ。いいかい学生さん、マッチングアプリをな、マッチングアプリをいつでもできるくらいになりなよ。(以下略)。

 というわけで、本題なのですが、マッチングアプリで他人のプロフィールを舐めるように上から下まで精読していると、だいたいみんな同じ様なことを書いているのに気づきます。「休日はNetflixYoutubeを見ることが多く~」とか、「旅行が好きで~」とか、そんな感じです。まあ、その程度のことはどうでもよろしい。私も、「人間の皮でランプシェードを作るのが趣味です」と言われても困りますから。

 私が非常に気になってしまうのは、「友達に誘われて始めました」とか「ゆる~くやってます」とか「職場が同性ばかりで~」と書いている人です。なんというか、責任を他人や環境に押しつけて、プライドを守り抜こうとしている感じが、鼻についてしまうのですね。「本気でやってませんよ~」アピールというか。

 この手の言葉は、「マッチングアプリをやっている自分」を、完全に受け入れていないから出てくるのでしょう。「必死こいてる」と思われたくないのでしょう。主体性を放棄して、言い訳できる状況を作りたいのでしょう。

 私は言いたい。死ぬ気でやれよ、死なねぇから、と。積極的に生き恥をさらしていけよと。かっこ悪いことから逃げるなと。真っ正面からマッチングアプリに向き合えと。汗と涙と鼻水と小便と大便を垂れ流せと。そのアカウントを漕いでゆけ おまえの手で漕いでゆけと。それが、大事。

 マッチングアプリを舐めてテキトーにやっているみさなんは、今から「ペアーズ、ペアーズ、ペアーズ、ペアーズ、ペアーズ」とあの夕日に向かって三百回叫んでください。そして、気になるあいつに自分から渾身のいいね!を押してください。そしたら、世界、変わりますから。

 

 

 

 

 

PS ペアーズさん、アンバサダーに任命してください。お待ちしております。

 

 

  

宙船/do!do!do!

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  • アーティスト:TOKIO
  • 発売日: 2009/06/24
  • メディア: CD