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『プレイタイム』の見方

洋画

 これまで観てきた映画の中でワースト1を選ぶとしたら、ジャック・タチの『プレイタイム』になる。「虚無」という言葉がこれほど相応しい映画も中々ない。「退屈」、その一言に限る。これを通しで全部見るなら、蟻の行列を眺めている方がはるかにましだ。

 確かにセットはすごい。ガラス張りの巨大なビルや幾何学的にオブジェが設置されたオフィスとかは。しかし、ストーリー皆無、台詞ほぼなしで、登場人物らが本当にただただ動いている様子を見るのは15分が限界である。繰り出されるギャグ「らしき」ものも一切笑えない。俺は頑張って40分は見続けたが、後は早回しにしても最後まで観ることができなかった。これほど悪い意味で展開が気にならない映画もない。時間を無駄にしている感覚がとにかく凄い。Amazonで星5つ付けている人が少なからずいるが、とても同じ映画を見たとは思えない。「これのどこが面白いのか?」と問いただしたいぐらい。しかし、製作者たちは撮っている間、何も思わなかったのだろうか。タチの頭がぶっ飛んでいたのは確かだが。

 ああ、そうだ、これを映画として120分も見続けるのが間違っているのだ。これは美術館で展示物として上映し、通りかかった時に5分ぐらい視聴するのが正しい鑑賞方法だろう。『プレイタイム』は、アンディ・ウォーホルの『エンパイア・ステート・ビル』と同じカテゴリーなのである。