プロ野球──データと書籍

 ボクは小学5年生になった頃、パワプロなどのゲームから野球に関心を持つようになったのだが、その時から試合そのものより、選手の成績とかに興味を持つことが多かった。まあ、オタクだったわけだ。当時(2000年代前半)は、ネット上における野球のデータベースがまだまだ発展途上だったし、検索能力も長けていなかったので、本によって過去の情報を仕入れていた。今回は、俺が小・中学生の頃に愛読していた野球データ本を紹介してみようと思う。

 

1『プロ野球データ事典』PHP研究所 2001年

 

 これは小学5年の時に買った(買ってもらったという方が正しいか)。夏休みの自由研究にも使った覚えがある。

 さて、この本は、プロ野球が2リーグ制になった1950年から2000年までのデータを対象としている。取り扱われている記録は、主要な野手・投手の成績、監督、順位など。それがシーズンごとにずらっと縦一列に並べられて、1ページにつき3年分のデータが見られるようになっている。(タイトルやオールスター出場については記号で判断できるようになっている)。

 しかも、当時の代表的なオーダー(打順・守備位置)をなるべく再現してデータを載せているので、例えば1982年の巨人の4番は誰が打っていたのかとか、1990年の阪神のライトは誰が守っていたのか、ということが一目でわかるようになっている。筆者の坂本邦夫によれば、「江夏の21球」の時のライトが誰だったかということなどを居酒屋で話しているうちにこの本の構想が思い浮かんだという。ちなみに、控え野手(2~3人)と控え捕手(1人)のデータもスタメン野手と同じように載せてある。

 ちなみに、記載されている成績の中身は、打者であれば出場試合/打数/安打/ホームラン/打点/打率、投手であれば登板/勝敗/セーブ/SP/投球回/防御率となっている。

 また、10年おきに、チームへの寸評、ドラフト・FA・トレード・外国人選手の入団情報がまとめられているページがあるので、誰がドラフト何位で入って誰がトレードで出て行ったのかわかるようになっている。解雇された選手の情報はない。

 ポケットサイズの本なので、場所をとらないし、もち運びにも便利だ。その分ちょっと字が小さいが、幸いボクはまだ気になったことはない。

 

 

2『決定版 日本プロ野球外国人選手大鑑』ベースボール・マガジン社 2002年

 

 これは小6の時に買った。1952年から2002年までにNPBに所属した外国人選手の情報が記載されている。前半部はスポーツライターによる外国人選手をめぐる様々な文章とインタビュー(具臺晟とオマリー)、後半部分が写真名鑑&年度別個人成績のコーナーという構成になっている。

 前半部の文章は全て興味深いが、例としていくつかタイトルを挙げると「世代別に見る外国人列伝」「途中入団外国人の活躍度を検証する」「『外国人選手』の取り方教えます」「活躍したのに……たった1年だけで去っていった助っ人たち」など。カープ・アカデミーやヤクルトの日系ブラジル人選手についての記事もある。写真も豊富。

 後半の名鑑の部分は、毎年出版される選手名鑑とほぼ同じような作りで、顔写真、生年月日、身長・体重、ポジション、投打、経歴、寸評(退団・引退後の情報も)が書かれている。年度別個人成績も基本的なデータはきちんと押さえられている。

 ベースボール・マガジン社からは2014年に『日本プロ野球外国人選手列伝―1934ー2014プロ野球80周年企画』という本が出ているが、内容的には断然『決定版 日本プロ野球外国人選手大鑑』が上だろう。

 

 

 3『日本プロ野球トレード大鑑2004』ベースボール・マガジン社 2003年

 

 中2の時に買ったもの。2003年のオフに小久保が巨人に無償トレードされ大騒ぎになったことから、この本でも巨人の帽子を被った小久保が表紙に使われている。トレードだけでなく、FAや自由契約による移籍も、本書の取り扱い対象だ。

 前半部がライターによる『球団別トレード変遷史』とインタビュー(鹿取義隆、遠山奬志、駒田徳広槙原寛己)、後半部が1936年から2003年までの移籍年表という構成。『球団別トレード変遷史』を読むと、球団の経営方針・補強姿勢が見えてきて面白い。年表では、移籍後の活躍についても一言触れられている。