ローリング・ストーンズとヘルズ・エンジェルス

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 1969年にオルタモント・スピードウェイで開催されたローリング・ストーンズのフリーコンサートでの様子。ステージと客席が区別がつかないほど近い。このライブは警備に関わっていたヘルズ・エンジェルスが大暴れし、その結果客に死傷者が出たことで、俗に「オルタモントの悲劇」と呼ばれている。なぜ、暴走族であるヘルズ・エンジェルスが警備で雇われたか。A・E・ホッチナーの『涙が流れるままに──ローリング・ストーンズと60年代の死』によれば「彼ら(注:ヘルズ・エンジェルス)に勝手に来られて暴れまわられるより公式に招待しておいたほうがトラブルがなかったから」ということで、以前から他のロックのコンサートでも同様の対策がとられていた。しかし、オルタモントではその目論見が外れ、大変な事態を引き起こしてしまったわけだ。会場がいかに混乱と暴力に満ちた状況と化していたかは、『涙が流れるままに』に詳しく書いてある。ちなみに、このフリーコンサートが開かれたのは、「全米ツアーは興業的には大成功したが、ストーンズはプロモーターを食いものにし、法外な値段にはねあがった入場料で全米の観客を搾取したと非難され」たことに端を発している。ホッチナーはその著書の中で、ウッドストックの後で起きたこの悲劇を、60年年代という時代の終りと結び付けている。

 

涙が流れるままに―ローリング・ストーンズと60年代の死

涙が流れるままに―ローリング・ストーンズと60年代の死