少し前に、テレビで放映予定の未DVD化作品をツイートするツイッター・アカウントを作った。未DVD/廃盤/レア映画を観る方法 (@rare_movie) | Twitter
衛星放送に加入していれば、結構未DVD化作品を観ることができる。特に、東映チャンネルとかザ・シネマなんかは、貴重な作品を放映していることが多いのでよくチェックしている。
それでも観たい未DVD化作品はたくさんある。僕がDVD化を希望する作品をちょっと挙げてみる。簡単なリストはこっちにもあげた。
ミルトン・カトセラス監督『バタフライはフリー』
喜劇女優として有名なゴールディ・ホーンが主演の映画。アイリーン・ヘッカートが72年アカデミー最優秀助演女優賞を受賞。なぜか一度もソフト化されていない。
アラン・A・ゴールドスタイン監督『トゥルー・ウェスト』
サム・シェパードの戯曲を、『狼よさらば 地獄のリベンジャー』のアラン・A・ゴールドスタインを監督にして映像化。PBSのテレビ番組『アメリカン・プレイハウス』で放映された。
『本物の西部』というタイトルだが、現代劇で、ある兄弟の争いを描いている。ジョン・マルコヴィッチの演技が評価されているようだが、アメリカでもVHSでしか出ていない。シェパードの戯曲が映像化されたのはこれが初めてである。
ラオール・ウォルシュ監督『裸者と死者』
ロバート・ギスト監督『殺しの逢びき』
ローレンス・シラー監督『死刑執行人の歌』
ノーマン・メイラー監督『メイドストーン』『ビヨンド・ザ・ロウ』『ワイルド90』『タフガイは踊らない』
全てノーマン・メイラー関連。『裸者と死者』はノーマン・メイラーの文壇デビュー作にして、ベストセラーとなった戦争小説を映画化したもの。アノポペイという架空の島で、日本軍とアメリカ軍が戦う。メイラーは第二次世界大戦に兵士として参加しており、実際に日本軍とも戦った。
『殺しの逢びき』は、メイラーの小説『アメリカの夢』を映画したもの。監督は俳優として知られるロバート・ギスト。小説はメイラーの性的オブセッションを複雑な文体と通俗的な筋で描いた滅茶苦茶な代物だが(ただ、僕は彼の小説の中で一番好きだ)、映画はB級ギャング映画になっているらしい。IMDBでも点数が低い。映画化時のタイトルは『See You in Hell, Darling』だったが、ビデオ化の際『An American Dream』に戻った。
『死刑執行人の歌』は、メイラーがカポーティに対抗して書いたノンフィクション・ノベルを、テレビ映画化したもの。ゲイリー・ギルモアの事件を扱っている。シナリオもメイラー本人が書いた。主演はトミー・リー・ジョーンズ。ただ、現在アメリカで販売されているDVDは、ディレクターズ・カットと称し、オリジナルから30分以上も短くなっているらしく、評判が悪い。
ノーマン・メイラーは一時期、自らがメガホンをとり実験映画のようなものを撮っていた。残念ながら彼が監督した映画は全て評価が低く、Youtubeでは「珍シーン」のような形で一部が晒されている(しかし、5年前にクライテリオンから初期の三作品をまとめたボックスが発売された)。そして、『タフガイは踊らない』に至っては、ラジー賞の最低監督部門を受賞。僕はそれを二年前にシネマート新宿で観たが、面白くない映画だった。それでもDVDが出るなら、買いたい。 ちなみに音楽は、リンチ作品で有名なバダラメンティである。
MAIDSTONE & OTHER FILMS BY NORMAN MAILER
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アーネスト・リーマン監督『ポートノイの不満』
フィリップ・ロスのベストセラー小説『ポートノイの不満』を映画化したもの。監督は『成功の甘き香り』や『サウンド・オブ・ミュージック』などの脚本に携わったアーネスト・リーマン。IMDBではかなり点が低い。原作は、主人公のポートノイが露悪的なまでに愚痴を(精神科医に向かって)しゃべり続けるという体裁をとっていて、ストーリーよりも語り口で評判を集めたのだが、映画ではどう処理をしているのだろう。ちなみに、ロス原作だと他に、『さようなら、コロンバス』、『エレジー』、『白いカラス』などが ある。
ジョン・ヒューストン監督『禁じられた情事の森』『火山のもとで』『賢い血』
ジョン・ヒューストンの文芸映画。『禁じられた情事の森』はカーソン・マッカラーズ、『火山のもとで』はマルカム・ラウリー、『賢い血』はフラナリー・オコナー。『禁じられた情事の森』と『『火山の下』は一度VHSになっているが、DVDでも出してほしい。まあ、『情事~』は「珍品」 として有名なのだが。
『ブリキの太鼓』のシュレンドルフが、アーサー・ミラーの戯曲をテレビ映画化。主演はダスティン・ホフマンで、ゴールデン・グローブ賞も受賞した。
シドニー・ルメット監督『グループ』
メアリー・マッカーシーの同名小説を映画化したもの。小説がかなり良かったので、映画も気になる。ルメットは『質屋』のDVD化も望まれているだろう。
リチャード・クワイン、アレクサンダー・マッケンドリック監督『おおパパ、かわいそうなパパ、あんたをママが戸棚につるしたんで、ぼくは悲しくてしようがないよ』
劇作家アーサー・コピットの戯曲を映像化したもの。植草甚一が『アメリカ小説を読んでみよう』の中で、コピットのことを紹介していて知った。植草曰く「コピットの特色は滑稽なシチュエーションから恐怖を生みだし、辻褄の合わない台詞の連発で舞台を混乱におとし込むことにある」とのこと。すごいタイトルだが、どんな映像になっているのか。
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ジャック・ニコルソン監督『ドライヴしろ、と彼は言った』
ジャック・ニコルソンの初監督作品。これも植草が『アメリカ小説~』の中で原作を紹介していて知った。原作はジェレミー・ラーナーという作家の処女作だが、実験小説らしく、「ぼくにはとうとうお手あげになった」と植草は書いている。一応、大学のバスケットボールの選手が主人公で、ヒップだとかスクエアだとか、そういうことがテーマになっているようだ。