「今夜はブギー・バック」のカバーについて語る小山田圭吾
スチャダラパーの『サイクル・ヒッツ~リミックス・ベスト・コレクション』には、小山田圭吾がRemixした「今夜はブギー・バック」が収録されている。Remixと言っても、実態はほとんどカバーで、しかも小沢のパートをパロディのように誇張して歌ったものだから、これを聴いた人の多くは「悪意があるな」「悪ふざけか」というような感想を持っただろう。
『ロッキング・オン・ジャパン』1996年2月号には、Corneliusとしてツアー中だった小山田のインタビューが掲載されており、そこでインタビュアーの山崎洋一郎が、「今夜はブギー・バック」のカバーについて突っ込んでいる。
山崎 それと今回のスチャダラのやつの、ああいう姑息な暴力もあり。
小山田 ははははは。暴力じゃないですよ。
山崎 いや、あれは暴力だよ。
小山田 愛情ですよ(笑)
山崎 あのディスク・レヴューは「これがロックの暴力だ」っていう原稿にしたから。
小山田 はははは、うん。
山崎 ある意味で。俺的に見ると。
小山田 うん、山崎さん的に見ればね(笑)。僕はもう愛100%(笑)
山崎 何言ってんだよ。
小山田 いやあ、最近メディアにバッシングされてる小沢を見て「ガンバれ小沢!」の気持ちを込めて(笑)
山崎 トドメ刺してんじゃん。
小山田 ははははは
山崎 でも俺がディレクターだったら「いや、今回オウムのことを連想させるような歌詞が入ってるんだけど」って言われるのと、「あの”ブギー・バック”の小沢のパートうたいたいんですけど」って言われた時にどっちが青くなるかっつったら、絶対こっちの方が青くなるぜ(笑)。
小山田 ははははは。だって、ディレクターはビビって業界に配る白カセ作んなかったもんね(笑)。発売日まで誰にも聴かせなかったらしいよ(笑)。上司にも聴かせなかったらしいよ。しかも僕は最初、小沢のコーラス残してるヴァージョンでやりたかったのね。でも、それで聴くともうほんとうに誰がうたってるんだかわかんないんだよ。だけどディレクターがそれはさすがにマズいっつって小沢のコーラスを全部消してるヴァージョンもいちおう落としといて、結局そっちになったんだけど
山崎 いやあ、あれは俺もう最高でした。
小山田 はははは
山崎 まあ、そんな半径50mに暴力ふるってどうするんだっていう気がしないでもないけど。
小山田 だから暴力じゃないんですって!(笑)。べつに小沢に対してとかっていうのはほんとうに何もないんですよ。ただ、あれは絶対オモロいじゃないですか!(笑)
山崎 だから暴力じゃなくて、ロック暴力ね。
小山田 そうですね(p.46)
まあ、山崎やディレクターの反応が一般的なものだろう。しかも、実際は、小沢ヴァージョンと区別がつかないぐらいの物を出したかったというね。小沢はどう思ってたんだろうって、良い気はしないか、やっぱり。
ROCKIN' ON JAPAN FEBRUARY 1996 VOL.109
- 作者: 山崎洋一郎
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