オールタイム・ベスト関連

諸君! 2007年10月号 私の血となり、肉となったこの三冊

『諸君!』2007年10月号では、「読書の季節の到来にちなみ」、「人格・精神形成に大きな影響を与えた本」、「人生の見方、考え方に影響を与えた本」をテーマにし、著名人108名にアンケートを行っている。以下、気になったものを挙げてみる(出版社・訳者など…

群像  1960年8月号 戦後の小説ベスト5

『群像』1960年8月号では、戦後から15年経ったことを節目とし、文学者たちに戦後の小説ベスト5を選んでもらうという企画を行った。作家だけでなく、評論家や外国文学研究者もいる。また、佐藤春夫や梅崎春生、小島信夫のように、様々な理由をつけてベスト5選…

翻訳の世界 1992年10月号 若島正「改訳したい10大翻訳」

昔、フィリップ・ロスやナボコフの翻訳で知られる大津栄一郎のウィキペディアのページを見てみたら、「ナボコフの『賜物』の翻訳については若島正から『翻訳の世界』誌の「改訳したい小説ベスト10」で多数の誤訳を指摘されたため、「若島正氏に反論する」を…

中上健次が選ぶ150冊

中上健次の没後出版された『現代小説の方法』という本は、彼の講演をまとめたものだが、最後におまけのような形で、「中上健次氏の本棚──物語/反物語をめぐる150冊」という章があって、中上が選んだ150冊の本のリストが載っている。元々は、1984年に、「東…

文學界 1967年8月号 作家が選んだ戦後文芸評論ベスト20

『文學界』1967年8月号では、「作家が選んだ戦後文芸評論ベスト20」という特集を組んでいる。初めに、磯田光一司会で、野間宏、中村真一郎、小島信夫、大江健三郎らによる座談会(「作家にとって批評とは何か」)があり、その結びとして、読者に勧める文芸…

群像 1974年1月号 批評家33氏による戦後文学10選

『群像』1974年1月号では、「戦後文学」に関する特集が組まれており、「批評家33氏による戦後文学10選」というアンケートと、秋山駿・磯田光一・柄谷行人・川村二郎・上田三四二らによる座談会「戦後文学を再検討する」という企画が組まれている。ここに…

群像 1996年10月号 私の選ぶ戦後文学ベスト3

『群像』1996年10月号は、「創刊五十周年記念号」ということで、大江健三郎×柄谷行人、江藤淳×秋山駿の対談や、木下順二、小田切秀雄のエッセイが載っているいる。 アンケートでは、「私の選ぶ戦後文学ベスト3」というのが企画されていて、選者は批評…

キネマ旬報特別編集 『オールタイム・ベスト 映画遺産200 外国映画篇』

本書は、『キネマ旬報』創刊90周年ということで企画され、2009年に刊行された。巻末にはキネマ旬報と関わりの深い会社の社長の名刺がずらずらと並べられている。 オールタイムベスト企画では、キネ旬以外だと映画秘宝のものが有名だが、人選はやはりキ…

遠山純生編 『映画監督のお気に入り&ベスト映画』

ツイッターでフォローしている人がこの本に言及していたので、図書館で借りてみた。 中身は、評論家がタランティーノやウォン・カーウァイの映画遍歴について書いたものや、エリック・ロメール、キアロスタミといった有名監督が映画について書いたエッセイの…

スタジオ・ボイス 2008年3月号 次世代【オルタナティヴ・ミュージック】ランキング100!!

オルタナといっても90年代の ポスト・グランジを指すのではない。 70年代後半に種を蒔かれた”もうひとつの”音楽は 80年代の”実験の夜”を通り過ぎ 90年代にエディットされ いまではカルチャー全般に横たわる規範となった。 そして00年代。細分化の…

シネマ・ハンドブック 2012

ツタヤの店舗などで売られている、映画のガイドブック。今はどうだか知らないけれど、昔はたしか200円分のTポイントと交換だったような気がする。 中身は、2011年の売れ筋を紹介した「洋画トップ50」、「邦画トップ20」や著名人が簡単な解説をつ…

スティーヴ・エリクソン 「わが生涯の愛読書」

『リテレール』1992年冬号より引用。副題は「私の考えを変えたフォークナー、ミラー、ディラン」。文章は柴田元幸が翻訳している。以下リスト。 『アラビアン・ナイト』(岩波文庫) レスター・バングズ『サイコティック・リアクション・アンド・キャブ…

中村真一郎 「わが生涯の愛読書」

ここでも紹介した『リテレール』1992年冬号からのリスト。副題は「これまでに読んだ何万冊からの、とりあえずのベスト」。中村は「ひとりの著者からは一冊」という原則に基づき、リストを作っている(ところどころ出版社名が抜けているのは原文ママ)。 …

山田風太郎の愛読書

前回紹介した『リテレール』1992年冬号からの引用。副題は「勉強のためではなく、現実逃避のための読書」 モーム『人間の絆』全四巻(新潮文庫) モーム『月と六ペンス』(新潮文庫) ユゴー『レ・ミゼラブル』全七巻(岩波文庫) デュマ『モンテ・クリ…

筒井康隆 「わが生涯の愛読書」

安原顕が編集していた雑誌『リテレール』1992年冬号に載せられたもの。「仕事がらみの本を除いたオール・タイム・ベスト」という副題がついている。以下リスト(表記は原典に倣った)。 弓館芳夫『西遊記』(第一書房) 江戸川乱歩『怪人二十面相』(講…

ぼくらはカルチャー探偵団編 『読書の快楽』

安原顯が中心となって企画したブックガイド『読書の快楽』。1985年に角川文庫より出版され、その後も安原の手によって、様々なブックガイドが編まれた。 選者には、安原と付き合いのある人たちが起用されているのだが、いわゆるニューアカ関係者が多い(…

安原顯編 『私の好きな映画 ベスト5』

本書は、『リテレール』の編集長、安原顯が企画・編集したもので、「リテレール・ブックス」シリーズの中の一つだ。出版されたのは1994年。様々な文化人が、自身の好きな映画を5本ほど挙げ、そこに簡単な解説を加えている。あとがきによれば、約300…

リテレール 1993年冬号 特集 短編小説ベスト3

自称スーパー・エディター安原顯が編集していた雑誌『リテレール』1993年冬号の企画「短編小説ベスト3」。著名な作家、評論家、翻訳家に、文字通り「短編小説」のベスト3を選んでもらっている。適当に抜粋していこう。 西村孝次 エドガー・ポウ「黒猫…

考える人 2005年春号 クラシック音楽と本さえあれば

『考える人』2005年春号では、内田光子ロングインタビュー、武満徹の本棚、わたしが音楽を聴く場所、作家に聞く「ベスト・クラシックCD」、音楽家に聞く「好きな本3冊」といった企画を行っている。ここでは、「ベスト・クラシックCD」を一部抜粋し…

関景介編 『恋愛映画1000』

2000年にアスペクトから出版された、「恋愛映画」に的を絞ったガイド本。50人の「カルチャー系雑誌で活躍する50人の著名ライター」が、1人20本ずつ「恋愛映画」を紹介しているので、「1000」というタイトルになっている。日本美女選別家協会…

考える人 2008年春号 海外の長編小説ベスト100

『考える人』2008年春号では、「海外の長編小説ベスト100」という特集を組み、「さまざまなジャンルの書き手129人」にアンケートをとっている。その結果自体はここにあるので、このサイトでは気になった個人の投票を挙げていきたい。 青木淳悟 ①百…

映画秘宝のオールタイムベスト特集号

映画秘宝はこれまでオールタイムベストの企画を二度ほど行っている。1998年と2008年だ。2008年版に収録されている町山・柳下対談の中で、町山は「(映画が:筆者注)その人にとってどれだけ影響したかが読むほうにとっては面白い」と言い、「人…